アメリカのテロ対策2010年12月24日 14時05分05秒

 2001年9月11日に起こった世界貿易センタービルの破壊テロはテレビ中継されたこともあって、世界中に強烈な衝撃を与えた。特に被害国のアメリカでは悲憤と同時に報復の機運が高まり、敵対する国ではなく、アルカイダと称するアラブ系のテロ集団に宣戦布告していった。

 イラクに侵攻し、アフガニスタンに転戦を拡大していく中で、アメリカ軍をはじめ連合国軍の兵士にも数千人及ぶ死者を出し、被害が拡大するとともに、この間数兆ドルの費用をかけて戦争を支えてきている。

 しかし一方では、民間の人たちも含めて何万人というアラブの人たちが命を落とし、住む家を失い、生活の糧を失ってしまいました。これがアメリカのテロに対する報復なのでしょうか。また、大した根拠もなくテロに加担しているという疑いをかけられた沢山の人々を掴めてきてアブグレイブ収容所に隔離し、各種の拷問を用いて自白に追い込もうとしたようです。

 このような収容所に何年も閉じ込められた人たちが、ある日解放されたとしても、その後アメリカのために働くと思いますか。爆撃で家を焼かれ、肉親を殺された人たちがアメリカの戦争に加担すると思いますか。どこかアメリカのテロ対策はその目的からほど遠いように感じます。

 新約聖書の一節に「汝の仇を愛し、汝を責める者のために祈れ。」とあります。キリスト教を奉じるアメリカ人がどうしてもっと博愛精神に満ちた政策がとれないのか不思議でならない。数兆ドルのお金があったら、今のアラブの沢山の人々に家を建ててあげ、学校を作り、畑を作って、少なくとも生活できる基盤を作ってあげることができるし、テロに走って、人々を傷つけるようなことはしないのではないだろうか。