我が国におけるコロナ禍 ― 2020年08月13日 10時48分51秒
このブログの5月2日に書いているが、我が国でコロナウイルスに対する「PCR検査」が十分できていないことを憂いている。その後、検査の重要性についての発言が強くなり、国民の一般論となっているように思うのに、行政機関は未だに「その症状では検査の対象ではない」というような対応が続いているようである。
政府が動かないのなら地方が直接検査しようという動きが出始めている。東大の児玉教授のご指導で東京の世田谷区では区長が「いつでも、どこでも、何度でも」を合言葉に、区民全員の検査に乗り出してきている。「素晴らしい」。これこそコロナ対策の究極の姿だと思う。成功を祈る。
世界に目をやれば、他国では多かれ少なかれこのような考え方で対応しており、殊にニューヨークでは今や街を行く人は誰でも検査を受けることができる体制になっており、急速に感染者が減少してきているという。出典は失念したが、我が国の単位人口当たりの検査数は世界で155番目だと書いてあったのを見て、ほんとに恥ずかしい思いをした。
東洋人は幸運だったのか? ― 2020年06月01日 22時29分03秒
感染症対策の常道として、出来るだけ検査をして感染者を隔離していくことだと言われているが、コロナウイルスに対して、我が国ではPCR検査が必要な人にできていない状況で、どうやら第一波の峠を越えたようであり、世界中から不思議がられている。
各国の人口当たりの死亡者の数が欧米に比べて著しく少ない。つまり、欧米では人口10万人当たりの死者数が300人とか500人とかといった状況に対して、日本では7人であり、二けたの違いがある。
しかし、死者数が少ないのは日本だけでなく、韓国やシンガポールなど東洋の各国はすべて一桁である。これはいったいどういうことであろうか。東洋人はこのコロナウイルスに対して、耐性を持っているとしか説明のしようがない。
そこで、今注目されているのはHLAという白血球の血液型に相当する組織が西洋人と東洋人では違っており、これがこのウイルスに対する耐性の差になっているのではと研究が続けられているという。
もしこれが真実なら、我々東洋人は大変幸運だったということになるのだろうか。
黒川検事長の辞任 ― 2020年05月21日 14時45分27秒
黒川検事長が新聞記者と「賭けマージャン」をやっていたということで辞任するという。
この辞任の理由として、一つは「黒川氏が昨今のトラブルの対応として、自身が辞任したかったが、官邸の許可が得られないことから、賭けマージャンを自ら暴露して辞任せざるを得ないように仕向けた。」という意見がある。
しかしながら、自分としてはもう一つ、別の角度から考えて、「昨今来の検事の定年延長を内閣が決められることの法律が多数の国民(?)と法曹界の識者の反対で成立を断念してきた件に関連して、官邸は黒田氏を下ろしたいが、この法案に関連して下ろしたということになれば、傷がつくので、別の理由(賭けマージャン)で辞任せざるを得ない状況を作った。というのはいかがだろうか。
いずれにしても、官邸を擁護してきた黒田検事長が辞任したことで、次の人事に注視していきたいのと、官邸周辺の不明朗な刑事事件が少しでも解明されることを期待したい。
日本のコロナ肺炎の不思議 ― 2020年05月16日 21時26分17秒
このブログでも我が国におけるコロナ肺炎に対する検査体制が脆弱で、韓国や欧米の各国に対してもPCR検査数が極端に少ないために、市中で蔓延している陽性者が感染を広げることから、感染者が爆発的に増加していると考えられる。
陽性者が爆発的に増加すると言っても、検査数以上には表面化するわけではないので、感染者はいつまでたっても減らないはずであるが、現実には減少してきている。これが検査数の少なさの結果なのかは分からないが、我が国の感染者が少なくとも欧米に比べて少ない状況で推移していることは事実である。
アジアの人たちが民族的にこの疾病に掛かり難いのか、幼児の時に接種してきたBCGがある種の免疫を構成しているのか、色々詮索されているが、答えが出ているわけではない。
しかし、もし日本人がこの感染症に多少とも強いとしたら、これは誠にミステリーというべき幸運だと思う。
PCR検査の陽性率 ― 2020年05月13日 13時56分54秒
最近、緊急事態からの脱出目安として「陽性率」が取り上げらるようになった。つまり、陽性者の数をその母体である検査数で割った値である。
しかしながら、対象地域全員を検査して、その陽性率を計算するのなら理解できるが、現状のPCR検査では熱があったり、咳が出たり、要するにコロナの症状が疑われる人を対象に実施されており、母数が一様ではない。
先月の東京都のように、明らかにコロナで重症になる可能性が高い人を対象に検査したのでは、当然のことながら「陽性率」は30%ととか60%ととか高くなるのは自明であり、検査の母体となる集団をどう選ぶかで数値はいかようにでも変わりうるのである。
それでも、検査数が十分多ければ、ある種の統計値にはなると思われるが、それでも何を検査し、何を計算するのかに掛かっているように思う。
COVID 19のPCR検査の意味 ― 2020年05月10日 19時45分31秒
コロナウイルスによる肺炎の蔓延が出始めた当初から、「検査と隔離」が最重要課題だと言われており、世界各国はその線に沿って検査数の増加を図ってきていた。一方で日本だけはどの様な理由が有るのか分からないが、当初から今日まで検査数は出来るだけ抑えるような施策がとられてきていた。
検査数を増やすことが、どうして感染拡大を止めるのに有効なのかについて、最近素晴らしい報告を読んだので紹介したい。
統計学者である九州大学の小田垣名誉教授のご報告であるが、
PCR検査数 集合状態 収束日数
現状 80%減らす 23日
2倍 50%減らす 14日
4倍 現状 8日
となり、検査数を増やせば集合状態が悪くても、収束日数を大幅に減らすことができるわけである。
更にこの状況を突き進めて、病状のあるなしに関わらず、全員に検査を行って、陽性者をしかるべく隔離が出来れば、その時点で収束していることになる。
つまり、PCR検査数をできるだけ増やすことが、収束日数を減らす大きな要素であることが分かる。
コロナ肺炎に対するPCR検査の怪 ― 2020年05月02日 21時22分04秒
新型コロナウイルスの蔓延に際して、当初より我が国の検査体制が他国に比較して、著しく貧弱であることが問題になっていたが、今日現在この問題は解決されていない。つまり、検査数をできるだけ増やして、市中に野放しになっている「保菌者」を確保して、隔離することが感染を抑える常 道だと考えられているのに、我が国では検査を重症者に限るよう指示が出ているようである。
東京都で本日陽性者が160人出たという報道がなされているが、何人の検査をしてこの陽性者が出たのかが公表されないのでこの数字が多いのか少ないのか判断できかねている。一説によると、東京都では一日の検査数が235件に絞られているという。
これを母数とすると陽性率68%ということになるが、こんなバカなことはない。
全国ベースで一日に3000乃至8000件の検査がおこなわれているようであるが、「重傷者を重点」に検査するということであるから、陽性者が出なければならないことになるのに、そうはなってないとすると、この検査数というのは何を意味するのか分からなくなる。一説によると、退院する人が二回続けて陰性になる必要があるが、この検査回数も含めてトータルの検査数と言っているとしたら、陽性率そのものが何を意味しているのか分からなくなる。
今我々が欲しいのは人々のどこに感染者がいて、いち早くこれを隔離することだ。
ドイツでは犬や猫までPCR検査をしようとしているというのに、我が国では熱が続き、咳が出てコロナを疑われるような症状の人に対しても検査を拒否されているというのは、どのような政策なのか全く理解できない。
石油の値段がマイナスになった ― 2020年05月01日 14時52分01秒
少し旧聞に属するが、原油の先物価格がマイナス30何ドルかになったという。新型コロナ騒ぎで世界中の各都市がロックダウンされたために、車を動かす機会が少なくなり、航空機の需要が極端に減ったため、ガソリンの消費量が無くなって、使われなくなってしまったために、石油をだれも買う人が無くなって、お金を付けないと引き取ってくれないような状況に置かれたためである。
殊に、原価の高いシェールオイルを中心に発展してきたアメリカの石油産業は大きな損害を追い、倒産する企業が続発すると言われている。石油の輸入国である日本では大変恩恵を受けることになるが、と言ってこれだけ経済が停滞すれば、飲食店や小売業等比較的小さな企業の経営が苦しくなって、倒産に追い込まれかねない状況である。
この際、安い原油を買い込んで、新型コロナ騒ぎの不況風を吹っ飛ばすような策が出せないものだそろうか。
新型コロナウイルスの感染爆発 ― 2020年03月28日 10時06分59秒
オリンピックの開催が延期されたとたんに小池さんが表に出てきて、「感染爆発が起こるから外出を控えろ」と言い出した。時を同じくして、東京都の感染者数が増えてきて、一日40人を超え、ダントツになってきている。
しかし、ヨーロッパやアメリカの様子を見るまでもなく、「感染爆発」というのはこんな生易しいんものではなく、一日に何千人という人の感染が想定される。ただし、我が国の問題は(当初から指摘されていたように)感染したかどうかを判定する検査数が極端に少なく、感染者の実態とは程遠い数字が出されていることである。
例えば、先の東京都の例で、一日に40数人の感染者が出たと言っても、何人の人を検査したのかは公表されていない。10000人検査して40人なら大したことはないが、100人検査して40人だと大変なことになる。従来は全国で一日千数百件と言われていたから、現時点でもそれほど増えていないのではと推察する。
つまり、検査数が少なければ、それ以上の感染者は出ないということであるから、実際には感染爆発が起こっているにも拘らず、数字の上では現れないということになるのではなかろうか。桑原、桑原!!!
新型コロナウイルス ― 2020年03月24日 11時11分52秒
中国武漢から始まった新型コロナ疾病は今やヨーロッパを席巻し、アメリカも急激に蔓延してきている。我が国でもダイアモンドプリンセス号の寄港もあって、比較的早くからこの疾病を経験することとなっていた。
最近の発生状況を見ていて、諸外国とわが国では大きな違いが感じられており、我が国の発生が大幅に軽減されており、発生のカーブが緩やかになっている。
この大きな差異が気になっていたが、最近のTwitterで上昌広先生が書かれた文章を引用すると
「無症状・軽症例を放っておいて、重症例・クラスター対策に重点を置く政策は日本独自のもので、知る限り海外ではそのような手法は議論さえされていません。国内ではそれが当然として多数派を占めています。異様です。」
とあり、腑に落ちた次第である。
我が国では従来よりPCR検査が大幅に抑制されており、検査能力がないのではと心配していたが、そうではなく出来るだけ検査しないで、重症者だけに注力しようとしていることが分かった。
しかし、もっと徹底的に検査しないと、感染していて無症者や軽症者が菌を拡散する危険があり、大変危険な政策であるように思う。
最近のコメント