好きな仕事探し2010年04月16日 10時08分18秒

 親の庇護のもとで、ブラブラしている若者にその理由を聞くと、「好きな職業がみつからないから」と答えているのをテレビで見かけることがある。このような傾向が一般的なのかどうかは分からないが、ちょっと「その考え」違うのではと思うのは自分だけだろうか。日本が高度経済成長を達成した70年代から80年代にかけての幻影を今も見続けているのではないだろうか。

 一方では昨年度大学を卒業した学生の5人に一人は職に就けない状況だと言う。特に現在のように日本の経済が収縮しているときには、働きたくても働けない人が沢山出てきているのは、ある意味仕方がない状況かと思う。

 私が世に出たのは終戦直後の混乱期で、他人をかき分けてでも職に就き、金を稼がないことには生きていけない時代であり、「自分の好きな仕事」なんてものを選んでいる余裕は全くなかったと思う。

 そうです。現在は吾々の時代ほどではないとしても、「生きるか死ぬか」の戦いの時代であり、「自分の好きな仕事を・・・・・」と言うような余裕はない時代に突入しているのだと考えるべきではなかろうか。

 一部の運動家や芸術家を除いて、「働いて生活費を稼ぐことは、ある種の必要悪だ」と考えて、必死で生き延びることをやって行かなかったら、結果としてその人の人生そのものを失ってしまうことになりはしないかと憂いている。