財政再建2009年12月18日 13時01分25秒


我国で正しい財政のあり方を論議する時、常に言われるのが現状の800兆を超える膨大な政府の借金に加えて、更なる借金を増やすことになると、我国の経済は破綻すると言う議論である。
 しかしこの議論は今に始まった話ではない。95年末の国債発行残高は450兆あり、当時の竹村蔵相がこのままいったら、日本は破綻することになるので緊急に財政再建することが必要と述べている。その後今日に到るまで歴代の政権でこの財政の危機が叫ばれ、ある内閣では緊縮財政が組まれ、又ある内閣では景気浮揚策として大量の国債が発行されて今日に到っている。

 爾来十数年、こんにちでは当時の倍近い国債残高になっており、いまだ我国は破綻することもなく、国債の金利が世界で最低の水準で推移して、健全な状態を保持している。当時、我国の財政破綻シナリオを書いた人たちはこの現状をどのように言い訳するのだろうか。

 現在、民主党政権によるはじめての予算策定が進んでいる。暫定予算として財務省は当初2.7兆円を提示していたが、亀井大臣からの11兆円の要求が出て、調整を図った結果7.2兆円で決着した。しかし、この経緯を見ていると、上で述べたように過大な国債の発行が財政の破綻を来たすと考えている人たちと、景気浮揚策としては国債の増発も止む無しとする人達がいて、この観点での意見が一致しないことには、政権で統一した主張に纏まらないと思う。

 我国における国債の在り方について、もっと腹を割った議論の重ねてもらいたいと願うものである。我国の国債は9割以上が国内で販売されており、しかも”円”で発行されているから、これを国内で買ってくれる人がいる限り、破綻する可能性は低いという意見もある。





コメント

_ pon ― 2009年12月19日 19時42分43秒

確かにまだまだ破綻はしないでしょう・・・。
しかし、誰が見ても異常な状態であることは明らかです。
私たちの生活はこういう危うい状態のうえに成り立っているという認識は持つべきではないでしょうか?
借金というのは、いろいろな性質があると思います。
長い間使用されるため、後世代にまで負担を求める長い期間の借金。
私たちの世代で片付けてしまおうという性格の短期の借金。
そういうものをしっかりと見つめて、仕分けをして、分析をした内容を公表すべきものではないかな?と思います。
後世代に借金を求めてもいいもの、そうではなく、今の世代で片付けていかなければならないもの。
それらをしっかりと考えなおし、分析して、対策を立てていくのが、本当の財政マンだと私は持論で持っています。

_ KAJI ― 2009年12月19日 20時38分06秒

ponさん、私自身も莫大な国債の残高を残すことで、我国の財政が破綻に追い込まれるのではないかと考えていましたし、そのヘッジのために手持ち資金の一部を外貨や金などに逃避させています。

 しかし、どうやらこの論理は財務省が税金を上げたいための作戦のようなのです。国債が円ベースで(外貨ではなく)しかも国内で発行され、消化されている限りは、破綻のしようがないのです。

 ですから、後世のために国債の残高を減らすためには、寧ろ一時的に国債を増発しても、国内の経済を活性化して、税金の増収を計る事のほうが遥かに王道なのです。

 最近読んだ本でこのことを勉強し、目からうろこの気分です。

_ 甚六 ― 2009年12月21日 09時58分23秒

国債の債権者は不必要なカネの有効活用を願って寄進してるようなものだから、有難く使ったほうが宜しいのでは?。
不良債権化したところで、当の債権者を含む国民全体で後始末する訳でしょうから、富の平準化に資するともいえそうです。
経済音痴の百姓モドキが発する戯言です。

_ KAJI ― 2009年12月21日 13時12分10秒

 甚六さん、前半はその通りと思います。今や郵貯も銀行も貯金は集まるのですが、貸付先がないのです。(焦げ付くことを心配してでもありますが)今更、怪しげなデリバティブやサブプライムローンには投資できないでしょうし、結局国債ぐらいしか出資できないようです。

 不良債権化のプロセスとして、破綻するときは国債の金利が上がることでしょうが、(つまり、国債の価格が暴落して)国債の引き受け手がいる間はそのように成らないと考えられます。

 唯、この莫大に膨れ上がった国の借金を多少とも解消する方向はインフレしかないようです。後は、ハイパーインフレにならないことを祈るのみです。

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