官僚の「天下り」と「渡り」2009年12月01日 09時30分41秒

久里浜のフラワーパーク。
 民主党の政策で一番ガッカリしたことは「郵政国有化?」に伴う官僚の天下り人事である。選挙で掲げたマニフェストの中にも
”第5策 天下り、渡りの斡旋を全面的に禁止する。国民的な観点から、・・・・・・・」と書かれており、公約の目玉であり、国民が強く要望していた点であったにも拘らず、簡単に反古にされた点は誠に残念である。

 民主党の幹部は「この人事は天下りではない」と強弁しているが、誰の目にも明らかではないか。どうしてそんな見え透いた誤魔化しをするのだろうか。全く理解できない。

 心ある民主党の議員は密かに心を痛めているのではと推測する。閣議決定のときに少なくとも岡田さんや前原さん、長妻さん辺りがどうして「自分は署名できない」と言えなかったのだろうか。(もしやっていたら、民主党が壊れていたかもしれないが)国民は従来の悪弊に敢然と戦う民主党を期待していたのだけれども。

アフガニスタンへの増派2009年12月06日 19時38分38秒


 オバマ大統領は(かねての計画通り)アフガニスタンに3万人の兵力を増派するという。その結果アメリカ兵の合計は10万人になり、国内世論の反対を考慮して、2011年の7月には引き上げを始めるという。ビン・ラディンを捕まえるためなのだろうか。捕まるのだろうか。捕まえたら、テロ騒ぎは治まるのだろうか。

 オバマ大統領は核兵器を廃絶すると宣言して、ノーベル平和賞を貰ったことからは全く逆の政策であるように感じる。聖書の中に(詳しいわけではないが)「他人もし汝の右の頬を打たば、左を向けよ」という教えがあるが、キリスト教徒として、どうして殺戮で物事を解決しようとしているか分からない。

寧ろ、その兵力派兵に使われるお金を使って、アフガニスタンの貧しい人たちのために家を建てたり、インフラや田畑を整備して、暮らしが成り立つような政策を採った方が、彼等の支持が得られ、平和への道が近いのではなかろうか。



国債の増発2009年12月11日 14時23分21秒

フクロウの香台
 民主党政権は来年度の予算編成で難航している。一つは現在の不景気による大幅な税収の減少であり、更には民主党政権としての独自の政策の実現のための資金の調達であり、この不景気の対策である。

 そこで、大幅な国債の発行が避けて通れない事態になってきている。総理は44兆円以下にする努力が必要と言っているが、藤井財務大臣は53兆円以上の国債が必要と言っおり、そうだと税収を上回る国債の発行となる。

 日本政府には既に700兆を超える国債の残高があり、更なる国債の増発は毎年の利払いを含めて、政府に大きな負担となり、後世に借金を付回す悪しき慣行だと決め付ける向きもあって、出来るだけ発行国債の規模は縮小すべきであると言う考え方が主流である。

 しかし、亀井大臣の主張する「この不況から脱出するために、大量の国債の発行してでも大型の補正予算を組むべき。」という考え方は少数派とは言え、榊原さんとか財政の専門家の間では支持されているものであり、疲弊している市場に多少とも活力を入れるのは政府からの政策投資以外にないとする考えは正しいと考える。

 いくら国債を増発しても我国の政府が破綻しない大きな理由として、わが国の国債はその90%以上が国内の銀行や郵貯等で保持されているために、ある日突然大量の売りが発生するという危険は皆無であるからである。ことに現時点では個人も企業も預金こそすれ、出来るだけ借金を減らそうとしているので、銀行や郵貯にはお金が有り余っており、国債ぐらいしか買うものがない状態であると言う。つまり、国債の受け皿は常に存在すると言うことである。

 国内向けの国債のを発行して、世界中で過去に破綻した政府が皆無であることからも、どうか財務省の謀略に載せられることなく、このデフレを克服して、一日も早い景気回復を達成するためにも、思い切った国債の増発に踏み切るべきであると思う。

自己治癒力2009年12月12日 19時09分13秒

岡本裕さんというお医者さんが書かれた「9割の病気は自分で治せる」という本を読んで、日頃自分で病気に対して描いてきていることと、符合する点が多く、一人悦に入っている。
 病気に対する3つの分類
  1.医者がかかわってもかかわらなくても治る病気
  2.医者がかかわることによって、初めて治る病気。
    (医者がかかわらないと、治らない病気)
  3.医者がかかわっても、かかわらなくても治らない病気。

日本人の場合、一般に病気だということで医者に見てもらう7割から9割は上記分類1に属するのだそうである。

 この本によると、本来分類1に属する病気は自己治癒力で充分治るにも拘らず、医者に行って必ずしも必要ではない検査をしたり、治療薬を処方されることになる。 病原菌が体内に入ってくると、身体の方は熱を出して、この病原菌をやっつけようとしているのに、解熱剤を飲まされて熱を下げてしまったら、治るものも治らなくなるのだそうである。

 お医者さんも分類1の患者を扱っていれば、その数も多く、無難でいいのかもしれないが、本来は上記分類の2に相当する病気の治療に専念してもらいたいものである。一方、我々患者側も何でもかんでも医者に駆け込むのではなくて、自己治癒力を信じて、対処するようにしたいものである。

 因みに、私は今年に入って「水虫」の治療薬を貰うために、一度病院に行っただけである。
 
 
 




財政再建2009年12月18日 13時01分25秒


我国で正しい財政のあり方を論議する時、常に言われるのが現状の800兆を超える膨大な政府の借金に加えて、更なる借金を増やすことになると、我国の経済は破綻すると言う議論である。
 しかしこの議論は今に始まった話ではない。95年末の国債発行残高は450兆あり、当時の竹村蔵相がこのままいったら、日本は破綻することになるので緊急に財政再建することが必要と述べている。その後今日に到るまで歴代の政権でこの財政の危機が叫ばれ、ある内閣では緊縮財政が組まれ、又ある内閣では景気浮揚策として大量の国債が発行されて今日に到っている。

 爾来十数年、こんにちでは当時の倍近い国債残高になっており、いまだ我国は破綻することもなく、国債の金利が世界で最低の水準で推移して、健全な状態を保持している。当時、我国の財政破綻シナリオを書いた人たちはこの現状をどのように言い訳するのだろうか。

 現在、民主党政権によるはじめての予算策定が進んでいる。暫定予算として財務省は当初2.7兆円を提示していたが、亀井大臣からの11兆円の要求が出て、調整を図った結果7.2兆円で決着した。しかし、この経緯を見ていると、上で述べたように過大な国債の発行が財政の破綻を来たすと考えている人たちと、景気浮揚策としては国債の増発も止む無しとする人達がいて、この観点での意見が一致しないことには、政権で統一した主張に纏まらないと思う。

 我国における国債の在り方について、もっと腹を割った議論の重ねてもらいたいと願うものである。我国の国債は9割以上が国内で販売されており、しかも”円”で発行されているから、これを国内で買ってくれる人がいる限り、破綻する可能性は低いという意見もある。





予算案のまとめ2009年12月26日 19時18分22秒

 新政権による初めての予算案が出来上がった。歳入が37兆円と激減している中で、歳出は93兆円と嘗てない大規模なものになっている。

 歳出の削減に関連して、マニフェストで約束した項目の一部で予算化できない事態になっている。これ自体は止むを得ないことと思う。しかし、これを報道するマスコミは「公約違反だ」と騒いでいるが、ついこの間までマスコミはマニフェストに反しても、国民の望むところを実行するように主張していながら、いざ多少とも齟齬が出ると、鬼の首を取ったみたいに喧伝するのはどういうことなのか。

 そうでなくても、今回の政権では官僚に任せず、政治主導で進めてきており、ある意味で画期的な予算案になっており、立派だと褒められてしかるべきと思うのに、この点には触れようとしていない。

 予算の無駄を排除するために、政治主導で事業を仕分けが脚光を浴びたが、それとて全予算項目の約10%しか出来なかったことで、予算の全貌に切り込めなかったのは時間的、人的な制約の中で当初の計画通り削減できなかったのは仕方がなかったのではないかと思う。

 しかし、この予算が実施される4月以降がほんとの勝負であって、それまで待って論評しても遅くないと思うのに、マスコミは目先の小さな齟齬だけを捉えて、大声で喧伝しているのはいかなる信条があってのことだろうか。ワイドショウと同じ視点で騒ぐのではまことに情けないと思うのだがどうだろうか。