私とタバコ(1)2006年04月08日 10時46分30秒

  学生時代はタバコを吸ってはいなかった。当時はまだタバコが健康上問題であると言う認識はなく、特に男にとって「タバコを吸うことが大人になった証である」ような風潮であったと思う。  会社に入って、付き合い上タバコを吸う必要に迫られたときも本数を吸うこともなかったこともあり、比較的高級と思われていた「缶ピース」のようなものを愛用していた。しかし次第に習慣化してきて、本数が増えるに従って、普通のタバコに移行して行った。フィルターつきが主流になり、「チェリー」と言う比較的強いタバコを長年吸っていた。   自分達で開発した製品を量産するため、地方の工場に出張していた時、同僚から「タバコをやめる方法」と言う本を渡された。 「止めらるものなら止めてみろ!」と言う挑戦だと解釈して、その日から「スパッ」と吸わなくした。(止め方はその本に書いてあるので)かなり苦しかったが、禁煙に成功した。38歳だった。   禁煙期間が一年半を超えて、もう喫煙生活に戻るとは夢にも考えていなかった。当時は製造現場の管理者をやっていて、会社の帰りに「赤提灯」によることも多かったが、ある日何時になく盛り上がっていた。誰かがタバコを勧めてくれたが、私は例によって「もうタバコは吸ってないんだよ」と言いますと、酔った勢いなんでしょうね、「俺のタバコが吸えないのか」と絡んできました。こちらも騎虎の勢で「吸ってやるよ」と受けて立っていました。それが運のつきで一本が二本、二本が三本と増えていって、元の喫煙ペースに戻るのに一月と掛からなかったのです。