「悪」を悪といえない企業体質2017年10月13日 08時57分54秒

 多少旧聞の属するが、大企業の東芝が新旧の社長同士の争いから、大規模な不正会計に走り、会社を根底から揺るがす不祥事になった。また最近では日産が完成品の検査を資格のない検査員に任して、ハンコだけ正規のものが使われていたという事件があったかと思うと、神戸製鋼で大規模な検査の不正が発覚し、対応に追われている。


 これらの共通して言えることは「これまずいよね」と思っていても、それを言い出せない、正せない会社の雰囲気があることである。本来、職位の高い人ほどこれらの「悪」を正せる立場にあると思うのであるが、自分たちもこの不正を見逃すことで、つまり上司の不正を指摘しないことで出世してきた経緯もあり、全社的に「悪」を指摘できる体質になかったと思われる。

 これらの不正がどのような経緯で発覚したのかは分からないが、多分社内で声を上げても受け付けられなかったために、外部へのリークがあったのではと推測する。

 このような体質は日本の企業だけとは限らない。先にVWが環境試験をごまかしていたこともあり、穿り出せば各国各社に及ぶのかも知れない。

 要は、社内で自浄作用が働く余地があるかどうかにかかっているように思う。自浄作用のない会社は今後衰退していくように思う。