昨今の労働環境2014年08月11日 14時25分51秒

 今更と言う気がするが、我々が働いていた当時の企業の環境と、昨今は様変わりしてきているようである。当時は少なくとも、企業を支えているのは基本的に「人」であり、「人」の能力とそれに基づく企業への貢献が原動力になっていた。従って、ある意味企業の業績よりも「従業員」に対する扱いが優先されており、大事にされて来ていたように思う。

 昨今では、労働は一種機械の一部であり、その人数は生産調整の道具であり、賃金は生産コストカットの手段になってきている。そこには労働者を心の通った「人」として扱わず、使い捨ての歯車としてしか考えられていない。一労働者だけではなく、その家族の生身の生活があることを経営者は考えていなのだろうか。

 経営的には会社の利益を優先して、株価を吊り上げ、株主に報いるような方向で進められており、そのしわ寄せが従業員にきている。経営側からは見えにくい株主であり、金を動かしているだけ利益を得ようとしている株主に尽くすよりも、目の前い働いており、日々の生産活動に汗を流してくれている労働者に報いる方が、どれだけ会社にとって有意義であり、社会に対する大きな貢献になっていると思う。

 アメリカ渡来の金融資本主義が、企業風土を壊し、従業員を酷使する結果、極端な貧富の格差を生んでいるばかりでなく、生き甲斐の見いだせない環境になってしまっていることを憂うるものである。