東芝の粉飾決算2015年07月21日 21時08分53秒

 東芝で過去5年間に千数百億円の粉飾決算が明るみに出たことで、西田、佐々木、と現職の田中社長が辞職することとなった。原因は各部門での利益競争が過熱し、決算段階で会計の処理だけで、見かけ上の利益を出すことで辻褄を合わせようとしたと言う。

 自分が一番不思議に思うことは、これほど会計上の大きな不正が永年にわたって、行われていながら、誰も「そのやり方は間違っています。止めましょう。」というひとがいなかったことである。従業員だからその企業に忠誠を尽くすことはひつようではあっても、その前に人間として倫理的に反した行いに対しては、これを指摘し、修正していかなければならないと思う。

 この事件が発覚したのは「内部告発」だったと聞いているので、多分下の方(?)の人には「これはおかしい。けしからん。」と思う人がいたと思うが、問題は経営トップに異議を唱える人がいなかったのが残念である。

これはある意味当然な結果であるかも知れない。つまり、大会社では概ね「減点主義だから、入社以来大した落ち度もなく、上司に従ってきた人しか、上には上がれないわけだから、トップの周りには「YES MAN」ばかりが集まっているわけだから、意義が出るような状況ではなかったと推察する。

 今回は会計上の不正操作が問題ではあるが、俄かにトップをすげ替えたからと言って、修正できるとは思えない。つまり、減点主義で、上役の顔色を見ながら仕事をしていくような風潮の中では同じような事故は避けられないし、斬新な政策も進められないと思う。


世界一貧しい大統領2015年03月05日 12時06分21秒

 世界一貧しい大統領と言われている人がいる。ウルグァイ東方共和国の大統領ホセ・ムヒカ(Jose Mujica)である。伝えられるところでは、給料の90%を慈善団体に寄付し、自分は残りの10%で生活していると言う。

 彼は在職中(もうすぐ任期が切れるようであるが)国民の経済的な不平等と闘い、所謂貧しい人達の底上げに努力したと言う。ピケティーに指摘されるまでもなく、世界は今や貧富の格差がますます拡大してきているが、彼は将にこの流れに逆らい、国民みんなの安定した生活を確保しようとしたものと思う。

 彼の言によると、自分は決して貧しいとは思っていないと述べた後で、「貧しい人達とは、優雅な暮らしを続けるためだけに働き、常により多くを望む人たちである。」と説いている。また彼は「金が好きだと言う人々は、政治的に危険な存在である」と喝破している。

 現在、我が国の国会では不透明な企業からの献金で沢山の議員がやり玉に挙がっている状況の中で、それらが法律に触れる触れないの問題ではなく、彼らの所業はホセ大統領に言わせれば、一番貧しい人達であり、情けない限りである。我国にもホセ大統領のような政治家が欲しいものである。


基地も原発も金で解決してきた2014年12月28日 15時16分33秒

 年末に入って、先ほどの沖縄知事選挙で当選した翁長さんが、遠路上京して、首相や官房長官に面会を申し込んでいるのに、どちらも「時間がない」と言う理由で、遭おうとしていない。

 また、官邸筋から漏れてきている情報によると、先に約束した沖縄への振興財源3000億円を減額すると言う。つまり、辺野古移設に賛成した仲井間さんの時には認めておきながら、反対の立場の翁長さんが当選したことで、嫌がらせをしているとしか考えられない。今回の衆議院選挙で沖縄は全選挙区で自民党が敗北していることも含めて、政府は民意をどのように捉えているのだろうか。全く理解できない。

 従来から、基地の問題でも、原発の立地でも、基本的には地元は反対してきており、結局は「お金」と言う甘い誘い水で、その都度口封じをしてきたにすぎない。こんなことで、国民のための政治が出来るのだろうか。

 一説によると、アメリカ軍は辺野古に基地を作ることにこだわってはいないやに聞く。辺野古にこだわっているのは、政府の外務省と、防衛省の役人たちだと漏れ聞くと、ますます、政府のやっていることが民意から離れているように思う。


特許権は会社のもの2014年09月08日 09時09分30秒

 過去に企業が人材を粗末にしていると言うお話を書いてきたが、この特許権の帰属をめぐる論争もその一環と考えている。つまり現在は企業内で発明したものであっても、その特許の所属は発明者個人にあり、企業との契約によって、その使用権は優先的のその企業が保持できるとものであるのに対し、企業側の要望で、特許権は最初から企業に属すると言う法改正を進めようとしている。

 しかしながら、元々有効な特許になるような発明と言うものは業務の延長と言うよりも、個人の研鑚と努力によるところが大きいと思っている。いくら給料を払っているからと言いて、個人の努力まで企業の所有にすると言うのは理不尽すぎるように思う。

 又もし、そのような制度が実施されるようなことになると、個人的に汗水掻いて発明に関わる努力をしようと言う人は極めて少なくなっていくのではと思われる。殊に、そうでなくても新しい開発が難しくなっている大企業にとっては、更に出難くなってしていくことになり、自ら自分の首を絞めていることになる。

 つまりは個人の生きがいを摘み、人間性を無視し、人材を軽視した経営方針の表れであるようの思う。


自分の心情と投票する議員の主張2014年07月10日 20時08分55秒

 国政選挙でも地方選挙でも、自分が考えている政策に近い主張をしている候補に投票することになるが、個々の政策については必ずしも一致しているわけではない。例えば、今自民党が進めているデフレ対策のための金融緩和には賛成しているが、集団的自衛権容認には反対だと言うようなことは日常的に発生する。

 同じように、各議員にしても、自分の党の方針とは言いながら、Aの政策には賛成だが、Bの政策には反対と言うケースが頻繁に出て来ると思う。しかし「党議拘束」と言う縛りで、心ならずも賛成票を投じることになるのは政治家として如何なものだろうか。

 例えば、「原発反対」を唱えて当選した議員が、その所属する党の方針に従って「原発賛成」に回ると言うのは、彼に投票した我々有権者からしたら、「裏切り」を受けたことになるわけで、詐欺だと言われても仕方がないのではなかろうか。

 その為には各党は「党議拘束を止めて」個々の政策に対しては個々の議員が自分の主張に基づいて賛否を表明できるようにできないだろうか。勿論、ある政策に対して与党の議員から反対が出るかも知れないが、野党からの賛成が出るかも知れない。

 そうでなければ、各個人の議員に投票する意味はなく、政党にだけ投票すればいいことになるが、この政党の主張と言うのがくせもので、選挙の時には言ってなかったことを政策として出してきたり、そうでなくても賛否の分かれる政策を抱えている政党を選ぶと言うのは、もっと困難な仕事であり、事実上不可能である。
 


官僚こそ諸悪の根源である2014年03月31日 07時54分08秒

 化粧品会社(DHC)の社長で吉田さんと言う方が、みんなの党の渡辺党首に対して、合計で8億円ものお金を貸たとして告発した。

 渡辺氏側は「やれ、選挙には使ってなかった」だの、「利息分のみ返却している」だの、いろいろ言い訳をしているが、借金をした時期からも、吉田さんの言動からも、選挙資金規正法違反であることは自明である。

 しかし、自分が興味を持ったのは、吉田さんが述べている所の、「自分は従来から日本の政治がおかしくなっているのは官僚のせいだと思っている。従って、この官僚のつまりは公務員の改革が進まなければよくならない。」そこで、小泉政権時代この公務員改革を真剣に進めようとし、その後の政権で潰されてしまった渡辺氏が新党「みんなの党」を立ち上げ、引き続き公務員改革に取り組んでいる姿勢に共感を覚えて応援してきたし、今回の借金の申し込みも快く受けた次第である。

 所が、最近渡辺代表はこの改革の趣旨から離れて、自民党にすり寄ってきており、現にこれに不満な江田さんを始め同氏の方々が離脱して『結の党』を結成するに至っており、吉田さんとしてはこれでは当初の趣旨と違うのではないかと、この告発に踏み切ったと言う。

 吉田氏と言う経営者の中に、「官僚を変えないと日本は危ない
と言う考えを持って、政治を変えよとしている勇気に賛意を表すると共に、この様な流れが大きくなっていくことを切に願っている。


オリンピック競技2014年02月27日 15時32分11秒

 ロシア・ソチの冬季オリンピックが終了した。日本の選手団では当初からメダルが期待された選手よりも、比較的マイナーな競技でよい成績が出たように思う。殊に、橋本団長のお話でも、スピードスケートの後退が著しく、(と言うよりオランダの進歩が際立っていたのかも知れないが)また将来を託せそうな新人も出なかったのはさびしい限りである。

 大観衆の前で協議する(演技する)選手諸君は故国の期待を背負っていることもあり、大変なプレッシャーと戦いながら、成果を競うことになり、その技量もさることながら、そのプレッシャーに勝つ精神力が要求されることになる。

 ジャンプ競技にしても、フィギィアー競技にしても、スタートしたら終わるまで引き返すことのできない流れの中で、日頃の練習の成果を出さなければならない。おそらく何百回、何千回の練習を積んで、本番ではたった一回の試技に臨むわけで、精神力もさることながら、運・不運にも左右されるのではと推察する。しかも、過酷なのは、その時意に沿わない演技で後悔し、リベンジを謀ろうとしても4年先になると言うことである。

 選手の皆さんご苦労さんでした。納得いかない成績の人、納得のいく成績を残した人、それぞれ、まずはゆっくり休んで次への準備に備えて頂きたいと思います。色んな競技の中で、個人的には「審判員がある種の主観で判定する競技」には疑問があり、素直には評価できないと思っている。


石原新太郎氏三つの大罪2013年12月26日 10時33分12秒

 いつの歯切れの良い語り口で、一般受けしている石原新太郎氏であるが、この所、誰も止めようとしないことを言いことに、暴言や横車が目立つ。殊に気になった3つの罪について書いておく。

 一つ目はこのひとつ前のブログにも書いたが、尖閣諸島を東京都が買うと、突然に言い出したことから、(ほんとはほおって置いた方がよかったと思うが)当時の民主党政権では、国が買うと言いだして、中国を怒らせてしまった。元々、尖閣の領有権については中国とは「棚上げ」することで、円満に解決していたのに、我国は中国とのどのような交渉も経ずに、「我が国の領土だ」と宣言したのだから、相手は起こると思う。その元凶を作ったのが石原氏である。

 二つ目は維新の会について、橋下氏が行政改革を旗印に立ち上げ、大阪府・市の効率的な運用システムの構築を軸に、大きな成果を上げ、将来の国の行政改革まで託せるのではないかと、多くの国民が期待し、大きな盛り上がりを見せていた。そこへ、その人気に乗ろうと石原氏が、まるで違う政策にも拘らず、維新の会に流れてきたことで、すっかりその結党の趣旨から外れて、何をやる党なのか分からなくなってしまった共に、維新の家への人気も一気に萎んでしまう結果となってしまった。(なぜ橋下氏が石原氏と組んだのか、未だに分からない)結果として、石原氏は維新の会を完全に壊してしまった、と同時に国民の関心も覚めてしまったのである。

 三つ目は猪瀬都知事の辞任である。確かに猪瀬氏も易々と政界の泥にまみれて、5000万と言う大金を動かしてしまったことは大きな落ち度である。しかし、石原氏が都知事を退き、猪瀬氏に繋ぐとき当然ながら徳田氏からの金をアドバイスしていたと思うし、と言うことは自分が知事時代も多額の金が動いていたと想像されるが、その延長で猪瀬氏に指南したのではなかろうか。

 たまたま、徳田衆議院議員の選挙違反に関連して、家宅捜査が入ったので、猪瀬氏にわたった金まで炙り出してしまったが、普通だと何事も起らなかったはずである。いまここで、不正な金を受け取ることが「いい」と言わんとしているのではない。金など使う必要のなかった猪瀬氏に、石原氏は変な入れ知恵をして、結果として彼を窮地に陥れたことになる。何度か石原氏に相談をしたようであるが、最後は切られてしまったわけである。猪瀬氏のような優れた行政マンを失ったことは大変残念である。


猪瀬都知事の5000万円2013年12月08日 09時08分05秒

 猪瀬都知事が今回の都知事選前、徳田寅雄に挨拶に行って、5000万円を借り、その後返却していることが分かったことから、この金のやり取りが収賄に当るとして、騒がれている。

 事の真偽を論ずる正確な情報もないし、その積りもないが、野次馬的見解としては、嘗て道路公団の民営化等で辣腕をふるった猪瀬氏に対して、これで利権を奪われた官僚たちによる(例によって)逆襲ではないかと推論している。

 一般論としては若くして左翼運動に身を投じた猪瀬氏が、この種保守主義の象徴ともいうべき収賄等に加担するとはとても考えられない。強いてその経緯を推察すると、元々石原前都知事は議員時代には徳田氏とは親交があったことから、都知事への出馬の度に資金的な援助を受けていたことから、今回の猪瀬知事へのバトンタッチに当り、「徳田氏に挨拶に行くように」アドバイスされ、その通りにしたに過ぎないのではないか。(猪瀬氏側では金は必要ではなく、挨拶代わりに戴いたのではと推察するが)

 官僚は常套手段として、目の上のたんこぶに対しては、この種スキャンダルを利用してマスコミを煽り、放逐しようとしているのではないかと思案する。古くは小沢一郎しかり、最近では山本太郎然りである。我々国民はこの種の中傷で、ほんとに必要な人物を失っていることに憂慮すべきである。


中国人と朝鮮人に対する思い2013年08月14日 13時43分19秒

 この所、中国とは尖閣諸島の帰属問題で険悪なムードが漂い、日本人が中国の人たちに対する反感の感情が高ぶり、韓国とは竹島のやはり帰属問題でギクシャクしていることから、韓国の人たちに対して必ずしも良い感情を持っているとは言えない状況にあり、これが今日一般日本人の平均的な感情かと思う。

 自分が終戦を迎えた1945年は12才であり、まだまだ子供の時代ではあったが、当時の日本人の共通した意識としては中国人は(当時は敵国人だったこともあり)蔑みの対象であり、人間以下の扱いをしていたように思う。一方韓国の人たちには(当時は朝鮮半島全体で、朝鮮人と呼んでいたが)日本の領土だったこともあり、隣近所にも朝鮮人の人たちが住んでおり、身近な存在ではあったが、巷間言われているように、やはり身分的には一段と低く見られていて、差別を受けていた用の思う。

 中国人や、朝鮮人に対して、当時生活体験の中で、この様な状況を見聞きしていたので、現在に至るも彼らに対するとき、「申し訳ないことをしてきた」と言う悔恨の情が先に立って、まともに意見を言えない状況が続いている。

 昨夜のテレビ番組で、演劇家の倉本総さんがでておられて、(多分自分とは同じぐらいの年頃だと見受けたが)「自分はまだ一度も中国と朝鮮半島には行ったことがないのですよ。この両国の人たちにはどこか後ろめたい思いが付きまとっているからです。」とおっしゃったことに甚く共鳴した次第である。

 戦前の歴史をしっかり踏めて、両国との付き合いを進めて行かないと、命取りになるように思う。