幸せはお金では買えない2016年04月08日 09時14分32秒

 「パナマ文書」というのが出回っていて、世界の富豪や有名人の多くが自国の税金を逃れるために、タックスヘーブン(課税避難地)に資産を移していると伝えられている。これはこれで、それぞれの国にとって税金が徴収できないという不都合が生じるだけでなく、徴税の不公平を生んでおり問題は大きい。

 それとは別に、世界一貧しい大統領だったというウルガイのホセ・ムヒカ氏が日本を訪れて、各地で公演会が催されている。彼の演説で有名なのは、2012年6月ブラジルはリオデジャネイロで開けれた国際会議で述べた
不幸とは少ししかもっていないことではなく、限りなく多くのものを欲しがり、いつまでも満足しないことだ。」という言葉です。

 このムヒカ氏の演説を聞くと、「パナマ文書」伝えられる大富豪たちが、さらなる蓄財に走っている姿が道化に見えてくるのは自分だけだろうか。

 今回の訪日でムヒカ氏がある学校での講演の一部をテレビで見たが、集まった日本の学生たちに対して、「あなたたちは便利な文明を手に入れ、高度な科学や技術を手に入れた。それであなたたちは幸せですか」と問いかけていた。この質問に対して、学生たちはどう答えるのだろうか。


日本における報道の自由2016年04月26日 08時10分07秒

 国際NGOによる各国の報道の自由度について発表し、日本は世界中の180ヶ国の中で72番であり、2010年の11位から年々大幅に後退してきている。

 国際的にも、この日本の後退を憂慮する声が強く、中でもアメリカのケイ教授が「我が国の報道の在り方」について調査し、その問題点を指摘している。

 問題点はいくつもあるが、大きな流れとして「政府による報道への圧力」が増してきていることが根幹にある。先の選挙前に自民党から各メディアに「公平な報道についても要望」が出されたり、高市総務相の発言で「公平な報道をしないメディアには停波も辞さない」といった政府側からの圧力が直接的にメディアを締め付けており、また政府の意向を忖度して報道を控えるような状況が出来てきている。

 第二次世界戦争の中であった「大本営発表」のような政府による統制が報道の自由を損ない、国民の知る権利を奪っていったあの苦い経験を思い出させるような昨今の状況は、我々国民からして大変憂慮すべきことだと思う。

 それにしてもメディアが弱すぎるのはいかなることなのだろう。「ペンは剣よりも強い」といったかつての意気込みはどこに行ったのだろうか。メディアのトップが頻繁に政府高官と会食をして、親密にしているなどはペンの力を弱める大きな要因になっているように思う。