田中角栄という政治家2016年02月17日 20時35分02秒

 現役時代、反田中の急先鋒であった石原慎太郎が、改めて振り返ってみて、政治家として類まれな才能を評価し、一人称で田中角栄の自伝を書いた「天才」という本を読んだ。

 予てから、戦後日本の政治について、いろいろ不満な点はあるが、中でももっとの残念に思っていることは、サンフランシスコ条約締結以来、日本が独立国になっていながら、未だにアメリカ政府のご指示に従って国の政策が決まっていることである。51番目の州だといういう人もあるし、アメリカの植民地ではないかという人もいる状況である。

 歴代の内閣はこのアメリカ追従の政治を踏襲してきているが、田中内閣だけは、このしがらみを断とうと努力してきていた。殊に、アメリカの了承を得ないで日中友好条約を締結したこと、更には従来はアメリカの企業を通して買っていた石油を中東から独自のルートで調達しようとしたことなどである。

 これらの政策追行の過程で、アメリカの逆鱗に触れ、ロッキード事件という「わな」を仕掛けられて、追放されることになったのは、日本の政治史上、大変残念でならない。もし田中角栄が健在だったら、今の政局をどう乗り切っただろうか。

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