原発の汚染水対策2013年09月03日 12時59分56秒

 福島原発に関連する汚染水の貯蔵タンクからの漏れが次々に指摘され、東電の杜撰な管理体制が問題となっている。東電のとろうとしている施策の根本に「出来るだけ安く上げる」ことがあり、『安全第一』を旨とする企業理念からは完全に逸脱している。

 安倍総理は「東電では頼りないから、国が前面出て進める。」と宣言しているが、国に一体何ができると言うのだろうか。要するに「金を出す」と言う意味以外に、事務屋集団の政府に技術的な解決策があるはずもなく、ましてや「前例のない仕事」は官僚の一番苦手とする仕事であり、とても期待できるとは思えない。

 汚染水が海洋に流出している現状を考えると、我国だけで対処するのではなく、米国や欧州等先端的な技術者を総動員して解決にあたるべきではないだろうか。少なくとも、地球規模での放射能汚染を最小限に食い止めるためには地球規模で対応すべきと思案する。

 今や、米国のシリアへの軍事介入が現実味を帯びてきている折から、テロ集団でなくても、一寸した暴徒が貯水槽に銃弾でも発射したら、一体どんなことが起こるのだろうか。想像しただけで背筋が寒くなる。


2020オリンピック招致2013年09月08日 12時53分38秒

 2020年のオリンピックが東京に決まるかどうかに関心があり、今朝は4じに起きて、テレビに見入った。結果的には東京に決まり、努力された関係者の方々に「おめでとう」と申し上げたい。

 開催地の選考に当たり、終盤で東京では福島における放射能による汚染水の漏えいが問題となり、最終的には最後のプレゼンで安倍総理が直接乗り込んで、「汚染水は完全にコントロールされている」ことと「汚染は軽微で、オリンピック開催には支障がない」こと、更に「政府が全面的に責任を持って解決する」ことを表明し、大方の理解が得られたようである。

 しかしながら、汚染水どころか溶けた燃料が地中でどのようになっているかが未だに分からない状況の中で、地下水との接触がよく分からないし、溜めこんだ汚染水の貯蔵タンクの漏れが毎日のように見つかっており、安倍さんが説明した「汚染水は完全にコントロールされている」と言う状況からは程遠いように思う。

 このような虚偽の説明をしてIOCの委員を納得さしたとしても、国内において放射能汚染で避難を余儀なくされている人々を始め心ある人々は「その危うさ」に憤りを感じておられるのではと考える。今の我国には二種類の日本人がいるように思う。一つはオリンピック招致に成功して、浮かれている日本人と、放射能汚染で避難生活を続け、将来への見通しも立たず、不安な毎日を送っている日本人である。


政党のあり方(私見)2013年09月17日 19時39分10秒

 ちょっと旧聞になるが、アメリカが起点となって「シリアへの攻撃をすべし」という提案に対し、英国政府は「攻撃に賛成」の立場で、議会に提案したところ、僅かの差ではあったが、これを否決する結果となった。

 政府の提案と言うことは多数の与党議員に支えられて、議員の数からすれば当然賛成に行きつくはずであったのに、これが否決されたと言うことは、与党議員の中から反対票が出たことを意味する。自分はこの現象に本当の「民主主義」を見た思いがした次第である。

 元々、各議員はそれぞれ自分の意見や考えを持って、政治に反映させようとしているが、その政治的な理念の中でメジャーに位置していることで、共通した政策を共有する人達で政党が形づけられていると考えている。従って、政党が提案する議案の中には、個々の議員からすると、必ずしもすべて賛成する議案ばかりではないはずである。

 上記の英国の議会のように、(おそらく選挙の時には話題にならなかった議題に対しては)与党議員であっても、反対する自由があってしかるべきと思うが、我国の議会を見ていると、党議拘束と称する不自由な慣習があって、各個人の賛否とは別に全員党の方針に従わなければならないと言うのは、ほんとの民主主義なのか疑わしいと思っている。

 選挙の時に各党が掲げた政策(マニフェスト)に関連する議案の時には全員が賛成するのは当然と思うが、それ以外の課題や、その都度新しい政局の推移の中で出てきた課題などは、各銀の自由な投票にゆだねる勇気が必要と思うが如何だろうか。


所得格差の拡大2013年09月21日 15時48分31秒

 昨年暮れに自民党政権になり、安倍首相の方針で「デフレからの脱却」を旗印に、日銀から大量の通貨が市場に流れた結果、今まで「円」の独歩高だった通貨市場が円安に動き、輸出企業では濡れ手の泡で膨大な利益を手にすることとなり、株価の上昇を受けて一部資産家の懐を潤す結果となった。

 一方輸出の不振から、今回の騒ぎの始まる前から、輸入の超過に陥り、貿易収支は赤字に転じていたので、この円安政策が全体として、更にこれを加速しているのは憂うべきことである。その結果、一般庶民と関係の深い輸入品については、急激な価格の上昇を招き、これらを加工して製品化するものまで、大きな影響を受けることになった。

 これらの値上げは庶民の台所を直撃し、賃金の上昇が期待できないこの時期に、ますます家計を圧迫する結果となっている。まさか、政府は円安による物価の上昇を見込んでインフレを狙っているわけではないと思うが、庶民泣かせのこの現象が予測できなかったわけではないと思うが。

 更に、来年4月からは消費税が5%から8%に上がることを安倍さんは決心したようであり、庶民の台所を直撃することになる。その一方で、企業に対しては各種の減税策が検討されており、直接消費税と対比されるべきではないことを理解しつつも、その対比に忸怩たる思いを禁じ得ない。

 アベノミクスはどうやら庶民をいじめて、金持ちを優遇する「所得格差の拡大」を目指したもののようである。どうして、もっと貧しい人々を底上げするような政策がとれないのだろうか。