原爆と原発2013年07月28日 09時32分50秒

 夏休みになると、NHKのラジオで小学生たちの素朴な質問に対して専門家の先生方が答えると言う番組がある。聞くともなしに聞いていると、福島の原発事故の関連して、放射能汚染した地域には何年ぐらい経ったら、人が住めるようになりますか?と言う質問があった。

 一人の先生がそれに応えて、原発から3キロぐらい離れた大熊町で計算した結果では165年後になると回答していました。165年ですよ。

 1945年に広島と長崎に落とされた原爆によって、数十万人の命が奪われた。当時、この地には残留放射能によって、このあと100年以上住めないのではと言われていた。しかし、正確に何年後からこの両市に人々が住み始めたのか分からないが、以来68年経った今日現在、何事もなかったような生活が存在する。

 つまり、福島の原発事故は原爆による放射能汚染とは比べられないぐらい深刻な被害が起こっていることになる。その理由は明らかで、原爆ではせいぜい数十Kgのウランしか使われていないが、原発の場合には一基当たり100tを超えるウランが使われており、その放出する放射能は桁違いの多さだからである。

 「原発事故で死んだ人はいない」とバカなコメントをした代議士がいたが、事故以来100年を超える年月の中で、数えきれない人々がその被害を蒙って、苦しむことになるのである。


コメント

_ toro ― 2013年07月30日 10時17分33秒

私は、最初はどうやって代替のエネルギーを確保するのかという疑問から、当面原発稼動をやむを得ないと思っていました。
いろいろとデータがあるようですが、どれもこれも専門的すぎて、私には納得ができないものばかりでした。
電力は足りているというデータ、いやいや不足するというデータ。
どれも納得できるものではないということでした。
しかし、ひと夏を節電で過ごしてみると、原発はいらないのではないかという結論が出ました。
福島のみなさんは、とんでもないことになってしまい、それに対する代議士の発言は呆れてしまいます。
しかし、これは政治家や東電に対してどういう考えでいるのかがわからない。
福島のみなさんは、自分のふるさとを何の落ち度もないのに追われ、自分の生きているうちにはふるさとには戻れない。
震災があったからとはいえ、やはり原子力には私たちは踏み込んではいけないのは当然のことではないだろうか?
しかし、再稼動があったとしたら、最初のうちは抗議してもそのうち何も言わなくなってしまうのではないか・・・と心配です。
私たちは、ずっとこのことを教訓に、声を出していかないといけないと思います。

_ KAJI ― 2013年07月30日 16時40分53秒

toroさん、お久しぶりです。毎日暑いですが、お元気でお過ごしでしょうか。

 電力会社にして見たら、何千億円もかけて建設した原発を動かさないで、保守だけしていたのでは膨大な損失になることは理解できます。ですから、電力会社は何とかして動かしたいと、画策しているのでしょうが、福島の事故がまだ終息していない現状において、同じ道を突き進むことはできないと、私などは思うのですが、

 今回の福島の事故でも未だにだれも責任をとったと言う話は聞いていません。ですから、自民党はこのまま再稼働していくようですが、何か事故が起こっても誰も責任を取らなくてもいいと言う体制では、我々国民は一体だれを頼って行ったらいいのでしょうか。

 政府は自分たちの利権のために動いていて、国民のために動いていません。

_ 甚六 ― 2013年07月31日 00時19分52秒

嘗て、北国に住む当方はリタイアしたら福島県に移住して農業で余生を過ごす夢を抱いてましたが、家族の賛意がなく諦めました。
家の者は内心「それ観たことか」と・・・、多分ね。
同じ目的で、その地で人生設計を固めていたある若いファミリーは妻子を広島の実家に預けて北海道に新天地を求めて東奔西走してました。
福島は今後の日本の食を支えるべく「自然農法」のメッカだったのです。
手前もNHKのその番組は通勤農業の途中、カーラジオで愛聴してますが、偶然か、その部分は聴いてません。
おそらく回答したその先生は、今後NHKと縁を切られると思います。

_ KAJI ― 2013年07月31日 12時47分16秒

 甚六さん、<回答したその先生は、今後NHKと縁を切られると思います。 >とぃうのは怖い話ですね。聞いていた時はそれほど深刻な印象は受けませんでした。

 放射能は種類によって半減期が決まっていますので、現時点での線量が分かれば、何年後にどうなるかは計算で出てくるわけですから、それ程恣意的なことはないと思います。強いて言えば、大熊町と言う原発から3キロと離れていな地点での計算結果を出した点でしょうか。

 話は変わりますが、地球の温暖化が進んできていて、耕作できる品種がどんどん北にシフトしていると聞きました。ある報道ではこれからの日本の食糧を支えられるのは北海道しかないのではないか、と言ってました。更に、北方領土もその延長で考えるべきと言ってました。

_ 甚六 ― 2013年07月31日 22時51分41秒

NHKをはじめ、マスコミは挙って原発事故の危険性の矮小化に賢明です。
枝野官房長官の「直ちに害があるものではない」という完璧過ぎて哂える噴飯モノの政府見解に始まる情報封鎖の犯罪性は枚挙に暇なしです。
311事案では、ドイツなどの海外メディアの報じる情報から真実を知らされた例が少なくありません。
当今は、何かに付けて御用の学者や評論家達がメディアに重用され、真実に迫るマトモな論調やインテリジェンスは悉く排除されてるのは目に余る現実です。
件の先生とは何方かは存じませんが、その発言は瞬時に「ヤバイ」とひらめいた次第です。
恐らく手前の被害妄想かも知れませんが、そうであれば幸いです。

_ KAJI ― 2013年08月01日 07時48分33秒

 今回の水漏れ事故にしても、明らかに参議院選挙が終わるまで公表を控えていたとしか思えません。そんな姑息な手段で国の方針が決まっていくことに大きな危惧を感じる次第です。

 メルトダウンした燃料が地中でどうなっているか誰にも分かりません。地下水と接触して水蒸気爆発を起こさないと誰が保証できるのでしょうか。時々、「水蒸気が上がっている」という報道がありますが、ほんとに雨水が落ちて蒸発したのでしょうかね。

 外国の情報と言えば、事故が起こった当初、アメリカからの情報として、津波以前に地震で冷却パイプが破損したのではと伝えられました。パイプが壊れたと思われる個所への視察を東電は口実を設けて拒否しましたが、これなど怪しい限りです。

 東電の中から情報が漏えいすることを期待するしかないのでしょうか。

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