社員の発明に関わる特許を会社に2013年06月19日 21時51分41秒

 自分も技術者として、在社中は新しい発案を特許申請する機会はあったが、その特許を会社に譲渡する旨の誓約書に書いて捺印していたから、法律的には社員の発明した特許は会社の所属となる、

 しかし、改めて表題のような決まりをつけようとしている理由は中村さんの青色発光ダイオードの発明を代表するように個人としての権利を主張して裁判になり、会社側がそれなりの報酬を支払わされていることの屈辱から出てきたものと思われる。

 会社側としたら、その発明が完成する間の資金と人材を投入してきたのだから、その成果も会社の所有となると言う論理であると思われる。しかし、考えてみて欲しい、そのような世の中になかったものを新しく生み出していくのはある技術者の絶間ぬ発案と、改善への努力があって初めて完成するのであって、金を投じたからできるわけではないのである。

 日本の特に大会社では硬直した組織運営のために、新しい技術なり新製品なりが出にくい状況にあるが、その上この様な意欲のある技術者に水をぶっかけるような仕打ちすれば、ますます新しい考えは出て来なくなるのではと危惧するものである。

 そのような状況の中ではアメリカのビル・ゲイツやスティブ。ジョブスのように、優れたアイデアのある人は会社に勤めるのではなく、個人で起業するようになるのではないだろうか。我が国でもそのような筋書きが描けるようになることは望ましいことと思う。