原発が止められない理由2012年11月05日 10時17分30秒

 次の総選挙を控えて、「脱原発」派と「原発推進」派に分かれて、議論が喧しい。今年の夏はかなりの猛暑だったにも拘らず、大飯原発二基の稼働で(実際はこのk同も必要なかったと言う説もあるが)停電にもならずに乗り切ることが出来たようである。従って、当初言われていたように「電力が足りなくなる」から原発を動かわなければならないと言う論旨は全く見当外れだと思う。

 次に推進派の人たちが言っているのが、原発で発電しないと火力発電に使う原油の輸入量が増えて、発電コストが高くなると言う論理である。しかし、考えてみたら、電力会社(沖縄を除く)は過去に原発を作るのにかなりのお金がかかっているはずである。原発そのものの値段が4,5000億円と言われているから、付帯設備や付近の開発を含めると、7,8000億円の費用が掛かっており、54基の原発を考えると、数十兆円の資産規模になると思われる。

 この膨大な設備の償却だけでも年に数兆円掛かり、これが全く企業活動に寄与しないとなると、これは大変なロスになることは理解できる。普通の企業だったら、とうに倒産の憂き目に遭っていることだろうと思う。勿論電力会社はそのコストを含めて、利用者に伝票を回しているから、直接の被害はないものの、非常に効率の悪い経営であることは事実である。従って、電力会社も政府も、或いは関連企業もこのあたりがどうしても原発を稼働しなければならない理由になっているように思う。

 嘗て、土地バブルがはじけて、銀行が大量の不良資産を抱えて倒産の危機を迎えていた時、政府はこの不良資産の償却に向けて、これまた大量の公的資金を投入して救った経緯がある。同じように大量に溜まった原発の不良資産を清算するために、これまた大量の公的資金を投入しなければ解決しないのではないだろうか。つまり原発バブルである。


田中大臣の新設大学の不認可の波紋2012年11月08日 19時46分00秒

 予てから申請されていた三大学の申請を田中大臣は一旦は「認可しない」と言ったことで大きな波紋を広げる結果となった。「急に不認可と言われても対応できない。」とかすでにこれらの大学を目指している子供たちが「泣いている」とか、マスコミは一斉に田中大臣のこの横車が許せないと言う主張で喧しくなっていた。

 しかし、考えてみれば田中大臣は当然の主張をしていると思う。第一に文科省の諮問委員会の答申を受けて最終的には文科大臣が裁定することになっているにもかかわらず、この裁定が下りる前に建物を建てたり、学生を募集したりすると言うことは明らかに法律違反である。

更には、田中大臣が言っているように、少子化の中で生徒がどんどん減っている中で、無暗に大学だけを増やして、経営が立ちいかなくなったりしたら、それこそ学生を泣かせることになるのではなかろうか。

 結果的には、どこかの仲裁で覆水は元に還ったようであるが、この様な慣行の中では政治家が自分の考えを政治に反映させようとしても、官僚のシステムによってガンジンガラめにされていたのでは、出来ない相談であり、まずはこの官僚の固い殻を破らないと政治主導は実現でない。


国会審議の質2012年11月13日 11時44分05秒

 ようやく臨時国会が開幕し、審議が始まった。しかし、これは今回に限らないが、肝心の議題についての議論はそっちのけで、大臣答弁の言葉尻を取り上げて、揶揄するような質問と言うのか詰問と言うのか、揚げ足取りに終始している。

 こんな質の悪い審議をしているから、復興予算と言いながら、関係のない用途に使われるような馬鹿げた官僚の策略を見過ごしてしまうのである。

 テレビで延々と中継しているが、全くバカらしくて、見ていられない。こんな程度の低い人達が国を動かしていると思うと、暗澹たる思いになるのは自分だけだろうか。


衆議院の解散と総選挙2012年11月15日 21時30分11秒

 昨日の国会での党首討論の中で、野田首相は16日解散することの条件として、赤字国債の発行とともに、一票の格差是正に加え、定員の削減を含めて自民党が確約することを求めた。

 自民党もこの条件を受け入れて、解散への流れができ、来月12月16日の選挙へと一気に政界が動くことになった。3年前に我々が民主党に期待した政治主導の政治は見事に裏切られたこともあり、早期の解散と政権の再編は必須だと感じていたので、喜ばしい流れであると思う。

 しかし、3年前の反省をすると、長らく続いた自民党の政権ではどうにもならないことがはっきりしてきたために、我々は民主党を選んで失敗したが、だからと言って、この間に自民党が反省して変わったと言う兆候は全く感じられない。

 今回の総選挙で自民党は第一党となり政権を取り戻すのだと思っているようであるが、我々はこれを許してはならないと思う。そんなことをしたら、元の木阿弥になるだけだからである。

 第3極の政党がどのようにまとまるか分からないが、我々が選ぶべきよりどころは、政治主導で官僚の思う通りのご要請に終止符を打ってくれる政党に投票したいと思う。官僚の組織力はそう簡単に改革できないかも知れないが、全力を挙げてその変革に取り組んでくれる人たちに期待したい。


日本維新の会に期待したい2012年11月17日 17時38分14秒

 今夕、太陽の党は日本維新の会に統合されて、石原さんが代表になると発表された。民主党や自民党では「小異を捨てて、大同につく」と言っているが、原発の問題とかTPP参加の問題は小異ではないと言って、野合の政党だと批判している。

 しかし、石原ー橋下連合は官僚による、官僚のための政治を排し、政治の主導権を政治家に、従って国民に取り戻さなければならないと言うのが根本の「大同」であり、まず何を置いてもこの官僚機構を根本的に変えないと、具体的などんな政策も国民のために機能しないと言うことで、何を置いてもこれに取り組むことにしており、全く賛成である。

 これまでには過去の安倍政権で、渡邊義美内閣府担当大臣(規制改革)を動かして、公務員改革の法案を成立されたが、その後福田内閣で潰されてしまって、成就していない。また民主党も3年前の政権交代に当り、政治主導を標榜して進めようとしたが、その進め方が稚拙で、完全に官僚に取り込まれて、ある意味自民党以上に官僚主導の政治に逆戻りした。財務省の意向を受けてマニフェストにもない「消費税の増税」を決めたのは、その典型例だと思う。

 明治以来綿々と続く官僚体制を突き崩して、新しい政治体制を築くことは至難の業と思うが、この「日本維新の会」がそれを目的に結集しようとしているわけだから、我々国民はこれを信じて強力にバックアップしたい。


石原老人の暴走2012年11月21日 13時49分31秒

橋下大阪市長の政治姿勢並びに、その実行力を高く評価しており、彼が大阪府・市で進めてきた政治主導の政治をいつの日か国政にまで進めてもらいたいと言う願望を含めて、「日本維新の会」の動向には関心を持っている。

 しかも、前回のブログで書いたように、石原元東京都知事との連携で、維新の会としては手薄だった関東地区に強力な地盤を築いたと言う点で、大きな一歩であり、国政を動かして行く大きなステップになったと感じていた。

 確かに、公務員改革を進めて、官僚主導の政治を国民に取り戻そうと言う趣旨では大同団結したが、元々石原老人は「尖閣諸島を買い取る」だとか、「憲法を破棄する」だとか、かなり過激な国粋論者であり、その意味では、その辺の思想を抑えて、橋下さんとの協力関係が出来たと思っていたが、「核兵器の開発」に言及するなど、相変わらず勝手な放言が続いている。個人的とは断っての発言ではあるが、維新の会の会長として、不用意過ぎる発言である。

 言うまでもなく、世界で唯一の被爆国である日本が、あの広島・長崎の惨状を絶対に繰り返してはならないと誓っており、その核兵器を持つことへの罪悪感は尋常ではない。その日本国民に対して「核兵器を検討する」と言うような発言は、国民すべてを敵に回すような事態になると思う。

 もし維新の会が苦戦するようなことがあったとしたら、この暴走老人の自分勝手な発言にしたと考えられ、橋下さんが進めている維新の会としては大変な迷惑を掛けたことになる、

 


シェールガス村2012年11月24日 21時17分07秒

 現在アメリカでは至る所でシェールガス(並びにシェールオイル)の発掘が行われており、大量に生産されている結果、ガスの値段が従来の1/4になっていると言う。将来、アメリカは燃料の輸出国になるとのことである。 

 このシェールガスの現状について、昨日NHKで特集を組んで放送していた。それによると、このシェールガスを取り出すために、水圧破砕法と言う工法が取られており、地中深くパイプを打ち込んで、これに薬品を含んだ水を押し込んで、岩盤を破砕してガスを取り出すとのことである。

 所が、このガス田の近くに住む人たちには、色んな被害(?)が出ていると言う。水道水に火を近づけると、燃えだしたり、水質の汚染や、不可思議な病気が発生していると言う。従って、これら住民はガス田の開発に反対しており、政府筋にも申し出ているが、全くらちが明かないと言う。

 住民たちが業者の責任者を呼んで、色んな疑問点を、例えば水に混ぜている薬品の種類や、周辺の被害状況などを質問しても、明確な答えがないばかりか、この事業に何の問題もないと言うばかりである。丁度日本における原発事故で電力会社だけではなく、役所も学者先生も「原発には何の問題もない」と言っていたと同じ事が、今アメリカで繰り返されていることを知った。強力なシェールガス村が出来上がっているようなのである。

 アメリカは民主的な国家であり、「問題は問題として」取り上げて、解決する国と思っていたが、政府も役人も、業界も学者も(一部の学者は警告しているが)見て見ぬふりをして、利権に群がっているのだろうか。悲しいことであり、日本も最近シェールガスに目が向いているが、その弊害についてきちっと検証してから事業に乗り出してもらいたいと思う。


橋下維新の会の失敗2012年11月27日 12時16分39秒

 衆議院選挙への取り組みが各党で佳境になってきている。その中で自民、民主に次ぐ第三極として橋下氏率いる維新の会が期待もされ、有力視されていたが、石原さんと組んだことで、石原さんの持っている右傾化の思想を新しい維新の会に加味しなければならなくなったことから、国民からの期待が大きくしぼんだ形になっている。

 一番の問題は「脱原発」の看板を下ろしたことである。橋下さん説明によると、「脱原発」を降ろしたわけではなく、原発の安全性と、使用済み廃棄物の処理に関して、これが確立しないと原発は稼働しないと言っており、事実上の脱原発だと苦しい言い訳をしている。

 しかし、石原代表は「原発をゼロ」にするとは言ってないので、一気に維新の会の主張が後退することになってしまった。業を煮やした別の政党が「脱原発」を標榜して連携する動きがあり、滋賀県の嘉田由紀子知事を中心に小沢さんの「国民の生活」、河村さんの「減税日本」、「みどりの会」が合流して、新しい勢力になると言う。これで、維新の会への潮流が一気に堰き止められることとなった。

 おまけに、石原代表の原爆の検討発言で、更に国民の感覚から離れて、全くの弱小グループに成り下がり、結果として自民、民主を利することに
なってしまった。この情けない成り行きに、橋下さんはどう思っているのだろうか。全く残念である。

TPP参加への賛否2012年11月30日 08時42分17秒

 間近に迫った衆議院選挙をにらんで、一つの争点として「TPPへの参加」がある。貿易で事業が成り立っている自動車や電気製品の分野では「TPP賛成]であり、国内産業である農業や畜産分野では外国からの製品にコスト面で太刀打ちできないと言う理由で「TPP反対」を唱えている。

 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)と言うことになると、欧州は勿論、中国もインドも含まれていない。つまり、この領域での経済活動はその規模から考えて、アメリカと日本しか影響を及ぼし合う国はないのである。日本からアメリカへの輸出は自動車にしても、電気製品にしても既に飽和しており、この協定が出来たからと言って、日本からの輸出量が画期的に伸びるわけではない。つまり、日本にとっては経済的なメリットはほとんどないと考えられ、アメリカの輸出に資するだけである。

 自民党の選挙公約では「我が国に害を与えるようではTPPに断固反対する。」と言っているが、その意味では答えは出ているように思う。しかし民主党が「TPP反対」が言えないのは、アメリカに配慮して、と言うよりいくら反対しても最後はアメリカの言う通りにならざるを得ないことがわかってのことではないかと推察する。

 アメリカの属国(?)としての日本では自ずからとるべき道は限られてくるのではないだろうか。自民党ももし政権に付いたら、その方針を変えざるを得なくなるのは自明のことと思う。