製造業の業績不振2012年02月03日 08時11分17秒

 電機業界を中心に製造業の業績不振が報じられている。原因はおのずと知れた「円高」である。一般的に「円」が強いと言うことはその価値が上がると言うことであり望ましいことではあるが、それは実体経済が伴っての話である。業績は芳しくなく、株価は低迷し、おまけに大震災で多大の損害を被っている日本経済がどうして「円高」に振れるのだろうか。

 この原因は一に掛かって、政府日銀の政策不在だと言わざるを得ない。どうして、もっと円を増発してドルを買わないのだろうか。日銀はインフレを恐れていると言うが、このところ延々と続くデフレの波を止めるためにも、丁度いいのではと思うが如何なものだろうか。(アメリカからの指示で止められていると言うことはないとは思うが)

 このまま行ったら、企業は必然的に生産拠点を海外に(今でもかなりの数が出て行っているが)さらに移さざるを得なくなるが、そうでなくても厳しい雇用情勢がさらに悪化することになる。

 第二次世界大戦の直前、列強各国からいじめを受けた日本が、堪忍袋の緒を切って、開戦に踏み切ったと言われているが、今回もそのような暴挙に出ないことを願っている。


維新の会の船中八策2012年02月14日 14時32分33秒

 昨日、橋下市長率いる維新の会は国政への進出を視野に、基本方針の骨格を発表した。これをもとに維新の会で検討し、更には維新の会が募集した研修生との議論の中で、ブラッシュアップしていくと言う。

 その概要は
 1)統治機構の改革
   ・地域にあった大都市制度の創設
   ・地方分権の推進
   ・地方交付税の廃止

 2)行財政改革
   ・基礎的財政収支の黒字化
   ・国会議員の定数・歳費の削減
   ・人件費3割カット

 3)公務員制度の改革
   ・職員基本条例案の法制化
 
 4)教育改革
   ・教育委員会の設置を選択制に
   ・学習塾バウチャー制度の導入

 5)社会保障制度
   ・年金の掛捨て制と積立性の併用
   ・高齢者と若者の格差是正
   ・国民に現金を給付する

 6)経済・税制
   ・自由貿易圏の拡大
   ・法人税・所得税の低減と資産課税・消費税を上げる

 7)外交・防衛
   ・日米と豪州を含めた3国同盟
   ・沖縄の基地を軽減し、全国に分散
   ・領土を自力で守る防衛力

 8)憲法
   ・首相公選制
   ・参議院の廃止(地方首長を主体とするチェック機能)

 この八策は現時点ではたたき台だから、最終的にどのように集約するか分からないが、全国的に大きな波紋を呼んでいることは事実である。このことは底流に現在の政治乃至は政治家に対する失望感があることは事実であり、
我々国民は2年前に民主党に期待したように、新しい革新勢力に期待しているのだと思う。

 その場合、民主党の時もそうであったように、相手は敵対政治家ではなくて、官僚だと言うことを肝に銘じておく必要があると思う。


インフレ目標1%2012年02月16日 08時31分57秒

 ようやく日銀はインフレ目標を設定し、これを1%とした。アメリカのFRBが先日同じインフレ目標を2%にすると発表したことが日銀を動かしたのかも知れないが、しぶしぶ重い腰を上げたと言う感じである。

 ここ数年来、日本の景気が停滞している最大の原因はデフレによることは周知の一致するところであるが、これへの改善が政府と日銀にはこれまでなされていなかったことは国民にとって、大きな不幸であったと思う。

 日銀が「インフレ目標」と言う場合、世の中にインフレが進行していて、これをある水準以下に抑えるのがその政策の趣旨であるが、今回のようにデフレで困っていて、物価を上げる努力が必要なのに、相変わらず「インフレ怖い」の政策では日本経済は停滞するばかりである。

 日銀はこのインフレ目標とともに、その施策として一層の量的緩和として10兆円を発行して、主に国債の償還に充てると言う。実質的にどの程度のインフレ効果があるか分からないが、大事なことは政府、日銀がこのデフレを克服するんだと言うことを公式に表明したことが大事ではないかと思う。

 この円を使って、ドルを買ってもらうことで、「円安」に軌道修正してもらえれば、日本経済にとってはもっといいのかも知れない。


インフレ目標1%の効果2012年02月20日 08時52分04秒

 ここ数年の日本経済にとって、最大の問題は限りなく進むデフレの嵐でした。今まで、優柔不断だった日銀がようやく重い腰を上げて、デフレ脱却を宣言し、インフレ目標1%を打ち出した。

 その効果だと思うが、連日株価は上昇を続け、あっという間に1万円に近付いているし、円ドル相場も急激に円安に振れ、1ドル80円に近付いている。企業の資産状況も改善するし、何より輸出企業にとっては円安は久々の朗報と言えるのではないだろうか。

 実際に物価がどうなっているかの情報はないし、季節要因もあり、なかなか即断できない所であるが、デフレの終焉が見込めれば素晴らしいと思う。

 当局が「デフレ克服」を宣言し、目標を設定しただけで、日本経済がこれだけ動くのだから、今後ともしっかりとしたかじ取りをお願いしたい。