許容被ばく線量2011年05月06日 09時00分31秒

 校庭の被ばく線量の許容限度についての議論が盛んであるが、元々放射線というのは病原菌とは違って、直接身体を蝕むものではない。放射線が身体に当ると、細胞のDNAを傷つけることで「がん」を中心としていろんな障害が発生する可能性があるということである。

 従って、一つは基本的に被ばく線量は可能な限り少ない方がいいのであって、どこまでなら安全というような基準があるわけではない。殊に子供の場合は細胞の増殖が盛んでもあることから、同じ線量を被曝しても、大人の何倍もの影響が出ると言われている。

 但し、このような放射能をまき散らすような事故がなくても、自然放射線で外部被ばくが0.75ミリシーベルト程度あると言われているので、この辺が被ばく許容限度ということになるのではないだろうか。

 もう一つの問題は先に述べたように放射線が細胞のDNAを傷つけて、それが(すべてががんになるわけではないが)何年、何十年もかかって増殖して癌になり、体への障害が起こるということであって、被ばくしたからと言って、直に何か障害が(1時間何百ミリシーベルト以上もの大量の放射線を浴びた時は別として)起こるわけではない。

 従って、カイワレ大根と同じように、被災したキュウリを首相が齧ったからと言って、何が起こるわけではなく、十年後にがんを発症したら、或いはあの時齧ったキュウリが原因だったかもしれないと、推測するするだけである。枝野さんが「直ちに被害が出るということはない」と言っているのがその辺にあるとすると、恐ろしいことではある。

 と同時に、将来がん発症の保証が議論されたときに、当局は「必ずしも、その時の放射線被ばくが原因とは特定できない」という理由で保証を拒否してくることが考えられるので、十分注意する必要がある。

 


浜岡原発の休止勧告2011年05月08日 21時31分25秒

 5月7日突如として、菅首相は「稼働中の浜岡原発」についてその休止を勧告した。福島原発が津波の被害を受けて、冷却水の電源がすべて失われたことから、比較的近い将来に発生が予想されている東海地震に対する防御ができるまで、休止するようにとのことである。更には、浜岡原発が断層の真上に建てられていることから、その大地震への影響を大きく受ける可能性があることから、識者の間では「浜岡原発の休止」を求める声が多々あったのも事実である。

 自分としては菅首相が英断を下したことへに対し、久しぶりに賛辞を述べたいと思っていた。それこそが危機管理であり、災害防止の要諦であると思ったからである。

 所が、今日になって「どうも,予てよりアメリカ政府から、浜岡原発を止めるように圧力がかかっていた」ことを知って、なるほどと納得した次第である。つまり、こんな大きな決断を我が国の政府がきるわけがないということと、関連する官僚が一切抵抗していないことから、よほど大きな圧力があったものと納得した次第である。

 更に分かってきたkとは、アメリカは日本の原発行政をより安全サイドに導こうとしたというよりは、アメリカの横須賀基地が放射能で汚染されることを嫌ったせいであると分かって、白けてしまった。重大な日本の政策もこの程度の軽い理由づけで歪められて(?)行くのだと思うと、全く情けないを通り越して、無力感に陥っている。


原発の放射能2011年05月11日 21時05分02秒

 福島の原発が地震と大津波の被害を受けて、1号炉から4号炉までまだその原子炉が冷却できない状況が続いており、その間に外部に出ている放射能の量は積算されている。

 私自身も大変認識が不足していたと思う点は、原発で扱われる放射性物質の量は、例えば原子爆弾なんかと比べると、その被害の大きさから考えて、わずかな量だと思っていたことである。

 改めて調べてみると、例えば福島第一原発の一号炉は約100万キロワットの出力があるが、この原子炉が1時間稼働しただけで、広島型原子爆弾6発分の核反応が起こっているのだそうである。これにはびっくりした。
    http://www.geocities.co.jp/wallstreet/1795/datugenpatu/9908genpatugenbaku.htm
つまり、1日稼働すると、原爆144発分の核反応が起こっていることになる。そのような原発が何基もあることから、もしこれが外に漏れるということになったら、原爆の何千倍何万倍の放射能がばら撒かれることになると考えられる。

 考えてみたら、当然だとは思うが、原爆の場合は持ち運びの点からも何十Kgの単位の量だけれども、原発の場合は100tを越えるウランを燃やすことと、それを継続的に核反応させることから、原爆とは比較にならないぐらいの核反応生成物ができることになる。

 あの忌まわしい原爆の恐怖に比べても、原発はもっともっと厳しい危険性を孕んでいることを学んだことで、脱原発に舵を切るべきと思う次第である。

 


義援金について2011年05月21日 15時43分42秒

 東日本大震災が発生してもう70日が過ぎようとしている。大津波にのまれた地域では今なお厳しい避難生活が続いていて、一日も早い復興が待ち望まれている。私自身は恥ずかしながら今日現在、まだ義援金を寄付できていない。何となく拠出した義援金がどのように被災者に届くのか見えなかったからである。

 日本全国からの義援金は日本赤十字社を中心に2000億円以上のお金が集まっているというが、この時期に来てもまだほとんど被災者に届いていないという。予想(?)した通りと言えばそうだが、お金を配る側の論理として、出来るだけ平等にしなければいけないということから、被災の全体像が見えない中で、手続きができないというのがその理由のようだ。

 お役人が扱うと、「平等」ということにとらわれるが、義援金を出している側では別に所得に応じて出しているわけでもないし、出したからと言って氏名や住所が記帳されるわけでもない。従って、配る側でも多少の不平等はあって、早く被災者に配ることが大事なのではなかろうか。

 更にいうと、広く平等に配るのは政府に任しておいて、一般からの募金は目的を持った支援団体を名指しして支援してはどうだどうか。例えば、お医者さんのグループとか、食糧を支援するグループとか、親を亡くした子供を支えるグループとか、等々そのような団体に寄付するような形で義援金を出すようにしてはどうだろうか。所詮ボランティア活動というのは平等とはいかないものだから。

  安藤さんが提唱されて、「桃・柿育英会」という震災で親を失った子供たちへの学費の援助団体ができましたので、そこに寄付をしたいと思います。
年額1口1万円で10年間続けることになっています。


メルトダウン、大丈夫なの2011年05月26日 16時02分46秒

 東電は2か月以上遅れて、福島原発の1号機から3号機まで、かなり初期の段階で燃料棒がメルトダウンしていたことを発表した。確か、この事故が起こって間なしのころ、保安院の広報担当がメルトダウンの可能性に触れたために、下されて、急きょ西山とかという事務屋さんが公報を務めるようになったと記憶している。

 燃料棒が細い形状をしているために表面積が大きくなり、水による冷却効果も期待できたのに、メルトダウンして一塊になってしまうと、表面積が極端に小さくなるので、冷却が大変難しくなると思われるが大丈夫なのだろうか。

 燃料棒のウラン材料の融点はは2800℃と言われており、少なくともこの温度に上昇してメルトダウンしたわけだから、塊の一部ないしは大部分は2000℃を超えるような高温になっているわけだから、いくら分厚いとはいえ原子炉の入っている圧力容器は鋼鉄製であり、簡単に溶けてしまうと考えられるが如何なものだろうか。

 更に、その外の格納容器も鋼鉄製であり、これも簡単に溶けてしまう可能性がある。現在は冷却水を絶え間なく注水することで、かろうじてこれら容器のメルトダウンを阻止しているということなのだろうか。かなりの綱渡りであることは確かなのではなかろうか。

 いずれにしても、我々国民の側から見ていて、一番不安に思うのは東電をはじめ関係者が今起こっていることへの理解と、更にはその対処法について全くの手さぐりであるということである。我々はほんとに国外に逃げ出さなくてもいいのだろうか。