新しい日米関係2009年09月11日 16時43分59秒

 今回の衆議院選挙の結果を受けて、民主党代表の鳩山さんの言動を取り上げて、「反米的な政権」だとか、「寧ろ、アジア重視の政権」だとかと、米国からけん制されるとともに、日本のマスコミも面白がって、尻馬に乗っている。

 しかし、庶民感覚としては、今までの日米関係が余りにも一方的な関係だっただけに、「思いやり予算」にしても、「米軍基地の再編問題」にしても、どうしてもっと日本の主張が出来ないのかと歯軋りしている状況であった。

 自分の現役時代に再三経験したが、欧米人との交渉にしても、議論にしても、常に大声を上げて「自分の主張」を叫ばないと、「あの人は何事にでも自分の意見を持たない人だ。」というレッテルを貼られて、その後も、意見を求められることもないし、議論に加わることも出来ない。

 今回の件も、マスコミは面白おかしく、日米の対立を囃し立てているが、彼等流のやり方では、議論の前に先ず自分の意見を披瀝しなかったら、話し合いが始まらないのである。鳩山さんは米国の大学を出ておられるだけに、その辺の彼等との距離感を充分分かった上で、発言しているのだと思うし、意見を持った宰相として、日本の地位を大いに高めてもらいと思っている。

民主党新政権の発足2009年09月17日 21時28分43秒

 いよいよ鳩山民主党内閣が発足した。最大の課題は官僚からいかにして政治の主導権を取り戻すかである。

 今の所はマニフェストに掲げた政策を説明するに留まっているが、前原さんの「八つ場ダム」の中止にしても、長妻さんの年金問題の解決にしても、原口さんの中央官庁の地方駐在の原則廃止にしても、従来の慣習からすると、通りにくいものであり、官僚がどのように巻き返してくるのか、注意深く見守りたい。

 最大の問題は予算の組み換えで、数兆円の新しい使い道を捻出しなければならず、方針は内閣から出るとしても、具体的な作業は官僚の手を借りざるを得ず、どこまで趣旨が徹底するのか見ものである。

 いずれにしても、これまで自民党政権では実現しなかった政治主導の政策実現を今度の政権では何としても実現してもらいたいものである。

高速道路料金の無料化2009年09月21日 15時49分53秒

 民主党はマニフェストで、「高速道路料金」の原則無料化を打ち出している。私は大賛成である。あの高速道路網が発達したアメリカでさえ、ほとんどの道は無料である。サンフランシスコ近郊ではベイブリッジを渡るのに1$、ゴールデンゲートブリッジを渡るのに4$か5$とられた記憶があるが、一般の高速道は総て無料である。

 そうでなくても、自動車には重量税だのガソリン税だのが掛かっており、充分な負担をしているように思う。この方針に対して国民の7割が反対していると言うが、その理由が分からない。沢山の車がひしめき合って、渋滞を起こし、CO2撒き散らすと言われているが、今やっているように、そうでなくても込み合う週末にだけ料金を下げるからであり、いつでも無料となれば、必要な時しか利用しないのではなかろうか。

 それとCO2のことについては、高速道よりも信号で止められる一般道の方がはるかにCO2を撒き散らしていると思う。

 それと一般的には、利用者が個人をイメージしているが、大量に行き来する貨物の運送費が大幅に安くなり、経済的には大きなメリットに繋がると思う。今現在、日本の内需を拡大し、経済を回復させるのが最大の課題だとすると、この政策は大きな切っ掛けになるように思う。

自然農法の素晴らしさ2009年09月30日 20時14分55秒

 青森のお百姓さんで木村秋則さんという方が書かれた「リンゴが教えてくれたこと」という本を読んだ。自然の素晴らしさと、生態系循環の不思議さは驚くばかりである。

 現代の農法では人手を減らして、収量を上げるためには、「化学肥料、殺虫剤、除草剤」を使うのが一般的であり、それが消費者の薬害問題を引き起こしている。その被害を避けるため、「有機農法」として、化学薬品を使わず、主に堆肥を肥料として使ったもので、コストは掛かるものの薬害問題がないことから、消費者には歓迎されている。

 しかし、木村さんが提案されている農法は、全くの自然農法で堆肥さえ使わないばかりか、例えば雑草は生え放題にするとか、田畑は掘り起こさないとか、これまでの常識を超えた農法である。つまり、自然の生態系を壊さなければ、理想的な土造りが出来て、害虫も寄り付かないのだという。

 食料自給率の向上が我国将来の大きな課題であることから、我国における農業のあり方を根本的に見直そうと言う機運が高まったいるが、木村さんの提唱される「自然農法」は新しい視点に立ったもので、非常に重要な指針を提示されているように思う。 言葉足らずで、理解いただけたか分からないが、興味のある人は次の本をご一読いただきたい。   
(註:日本経済新聞社出版 木村秋則著 「リンゴが教えてくれたこと」)