赤ちゃんポストに関連して2009年06月03日 19時29分13秒

 熊本の慈恵病院に設けられている「赤ちゃんポスト」に昨年一年間で25人の赤ちゃんが預けられたと報じられている。一方で、全国の「捨て子」の数が149人もあり、望まれなくて生まれてくる子供は後を絶たない。

 片方では、人工受精など、不妊治療を受けても子宝に恵まれない夫婦が増えていると言う。

 昔は一般的には子供の数が多かったこともあり、養子縁組として子供のない家庭に貰われていくケースをよく見聞きした。しかし最近では養子縁組をしたという話を聞かない。

 その理由として考えられることは、昔は家が重視され、家系制度が大きなウエイトを占めていたこともあって、「跡継ぎ」が必要な関係から、養子をとることが多かったが、現代では家意識が薄れてきて、家を継がせる必要がなくなったことが大きいと思う。

 もう一つ、養子縁組が少なくなっている理由として、人々が他人のことをあまり構わなくなってきているせいではないかと感じている。例えば、子供の悪さをキチット注意するような人が居なくなった同じように、子供が欲しいと思っている夫婦が居ても、養子を世話しようという「お節介」な人が居なくなってしまったことではないだろうか。

 「触らぬ神にたたりなし。」現代では、他人に対して没交渉な生活態度が起こしている一般的な現象のひとつであるように思う。

キセル乗車2009年06月08日 17時39分38秒

称名寺の池に遊ぶ亀さん
 今や死語になりつつある言葉に「キセル乗車」があるように思う。これは言うに及ばず、乗車した駅から最小金額の切符を買い、下車駅の近くの僅かの期間だけお金を払って、途中の料金を済まそうという一種の犯罪行為である。

 都心に通勤しているサラリーマンは当然のことながら通勤のために定期券をもっている。そこで、週末に郊外のゴルフ場でプレーしての帰りは最寄の駅から最小金額の切符を買って電車に乗り、下りる時は手持ちの定期券で改札を出れば、立派に「キセル乗車」が成立する。

 この「キセル乗車」が死語になりつつあるのには、勿論自動改札機が主役であるが、定期券がカード(関東地区ではSuica)になったことで、下車駅だけでなく、乗車駅の情報がきっちり把握されることから、キセルが出来なくなったからある。

 これは善良な(?)市民が犯罪に手を貸すことをなくすることになっただけではなしに、JRや各種私鉄にとっては、従来キセルによって失しなわれていた莫大な収益を取り戻すことになったということである。この金額は公表されていないが、かなりの額になっているはずである。

臓器移植法の改定2009年06月19日 13時56分19秒

八景島の海の公園
 昨日の衆議院で臓器移植法の改定でA案(年齢制限なく、家族の承諾のみで移植できる)が可決された。大きな前進である。

 従来、我国では法律で15歳未満の子供は臓器提供が出来なかったので、必要な場合は大金を払って、海外で移植を受けるのが通例になっていた。しかしながら、WHO(世界保健機構)から臓器の提供は原則として、自国の中でやるようにという通達が出たことから、今回の法案改定の成立が急がれたし、衆議院議員の方々も、この観点に立って、賛成が多数を占めたのではと思考する。

 この法案は来週から参議院で審議されるが、「脳死を人間の死と判断する」ことへの反発から、議論が沸騰しそうである。従来からある常識としては、心臓が止まって、全身に血が回らなくなり、冷えて冷たくなった状態を「人間の死」と考えるのが一般的であったので、まだ身体が暖かいのに、脳死だということで、死亡したと認識するのに抵抗があることは理解できる。

 一方では、病気のために臓器の提供を待っている子供たちが、提供が間に合わなくて、命を落としている事実も多数見受けられる。このように臓器提供を待っている人たちにとっては、出来るだけ沢山の人が臓器の提供を申し出てくれることを切望しており、これはこれで切実な問題として、理解できる。

 今回の法案は「家族の承諾があれば・・・・」という部分で、ギリギリ妥協点になっているのではと考える。ただし、臓器のやり取りの中で、莫大なお金が動いたり、DVに繋がるような犯罪が起きないことを祈りたい。

麻生総理と日本の命運2009年06月30日 10時18分13秒

この時期の紫陽花は風情があります。
 衆議院議員の任期切れを間近に控えて、自民党では麻生総理ではこの選挙は戦えないと言う勢力が顕在化してきている。確かに、決断の出来ない麻生総理にイライラする気持ちも分かるが、自民党もここまで来たら、この選挙に勝ち目はないように思うし、下野する覚悟をすればいいのではと思う。

 長年与党の地位にいた自民党にとっては、このような危機になると、党を離れる人が出てきたりして、求心力が急速に失われてくるようである。殊に、現政権に反発して、改革を進めようとしている人たちは、ときあたかも地方から声が上がっている地方分権の主張ともあいまって、新しい勢力になってきている。

 このような情勢の中で、民主党はどうしているのだろうか。どこか影が薄い印象である。自然の流れとして政権交代は起こるのだろうが、我々国民からの視点で言うと、民主党がいいから政権について欲しいと言うよりは、今の自民党のあまりにもていたらくだから、流れを変えたいと思っているだけである。

 これらの動きの中で、大きな政権再編が起こって、自分たちの利権ではなしに、真に日本の国を立て直してくれる政党が誕生することを強く期待している。