不良建物の建設2005年11月26日 11時00分07秒

 この所毎日のように設計士による構造計算の改ざんによって、耐震強度の極めて弱いビルが建てられた問題について報道されている。大変憂れウべき問題で、殊に高額のローンを組んで購入された方々はどうしていいか分からないだろうと思う。  今の所、構造計算をした設計事務所が計算のごまかしを認めており、「建設会社からの圧力があった」と述べている。建設会社は一様にその事実を認めていないが、設計事務所が自発的に資料を改ざんするようなことをする動機が考えられない。明らかに外部から圧力があったと思わざるをえない。  政府による公共工事が大幅に減っていく中で、建設業会殊に中小の会社では不正をやってでも生き残りを計ろうとしているのだろう。しかし不正やってまで商売にしょうと言う感覚はとても常人の感覚では考えられない。掴まったら「倒産」で逃げる、将に常套手段であり、無法地帯である。  この事件は今回明らかになりつつある物件で終わらないように思う。このようなごまかしは大なり小なり業界にはびこっているように感じる。阪神大震災で倒壊したビルの中にこのような不良物件はなかったのだろうか。  地震の活性期を迎えている日本列島で近く発生する地震の時に我々はパキスタンの倒壊建物を笑えないことになるのではないだろうか。