役所の支出2005年11月09日 07時21分32秒

 昨今、膨大な財政赤字の改善を旗印に各種の増税、殊に消費税の大幅アップが必要と喧伝されている。一方では(当たり前のことではあるが)支出の削減を標榜する政治家もいる。報道によると、役所の予算には膨大な無駄が含まれており、これをスリムにするのが先だと言う議論である。  勿論これらの無駄な支出は削減してもらいたいが、正常と思われている予算でもその要求段階、執行段階では壮大な無駄が出ていることをここでは取り上げてみたい。先ず予算の要求段階では、(役所の予算では原則としてオーバーできない仕組みだから)色々理由をつけて、必要と想定された金額よりも大きめの要求をすることになる。又従来から予算がついていた項目についてはもうその必要がなくなっていても要求することになる。ここに一つの無駄が発生している。  次に予算の執行段階では今度は予算のお金を余らせることが出来ない仕組みになっているので、これを使い切るのに四苦八苦する羽目になる。外務省のワイン8000本もその類だろうし、必要もない冊子を大量に購入することにもなるのである。更には(これはもう犯罪であるが)カラ出張や、カラ残業で 使い切ることになる。  こう考えてくると、農道空港を作ったり、1時間に車が一台しか走らないような道に立派な舗装をしたりするような、誰が見ても無駄と分かるようなものは真っ先に退治して欲しいが、永年の埃にまみれた予算の仕組みそのものを変えていかなければ、根本的な解決にはならないと思っている。