席を譲られて2005年09月08日 17時24分29秒

 私は現在71歳で、横浜市ではいくばくかの年会費を払うことで、バスと地下鉄の無料パスを頂いている。従って、身体の方は十分耄碌して来ているのであるが、何しろ髪が黒く、量もあることから、普段は外見から年寄りには見ていただけていない。
 所が先日バスに乗った時、それほど混んでいたわけではないし、いつものことだから、吊革に掴まって立っていると、目の前に座っていた中学生風の子供が急に立ち上がって、「どうぞ」と席を譲ってくれているらしい。「らしい」と云うのは自分が席を譲られたと云う認識がなかったので、後ろを振り向いたが誰もいないので、自分のことだと改めて気がついた次第である。中学生の好意に甘えて座らしてもらった。
 生まれて始めて席を譲られたことで、何となく嬉しいような気持ちと、いよいよ自分も年寄りの仲間入りをしたという寂しさと、複雑な心境に浸った一日でした。